本書は、人気漫画コンビ「泉昌之」(註1)で活躍する和泉晴紀が、月刊「裏モノJAPAN」で
連載中の漫画を一冊にまとめたものです。
やたらと細かなことを気にする主人公「やくざの文さん(ぶんさん)」が、世の中の理不尽な事柄
42本を一話完結でブッタ切ります。
例えば、そのうちの一例は…。
先頃、音楽フェスにお客として遊びに行ってきたという、若い女の子がこう言います。
「あたしさぁ、先週、フェスに参加してきたの」
フェスに行ってきた、ではなく、参加。
微かな違和感を覚える表現ではありますが、決して間違っているわけではありません。
しかし、文さんは許しません。
この「参加」について、二度考えた後、大きく「ふ~」と煙草の煙を吐き出し、こう言うのです。
「自分もライブを形成した一員のつもりで “参加” と、のたまってるのかもしれんが、二回考え
てみても、やっぱ、ただの客だと思うわ」
色々と異論はあるかと思いますが、多くの方は腹を抱えて笑い転げるのではないでしょうか。
著者の盟友・久住昌之氏による、本書の推薦文を引用します。
<げっ ! おっ、面白い ! 34年前に和泉晴紀がこのマンガを描いていたら、ボクの今はない。
よかった ……>
久住氏にここまで言わしめる、傑作ユーモア漫画を是非ご一読ください。
*註1:泉昌之は、漫画・和泉晴紀、原作・久住昌之の二人からなる漫画コンビ名。久住昌之氏は、
「 孤独のグルメ」(漫画・谷口ジロー)「花のスボラ飯」(漫画・水沢悦子)など、多数の原作を
手がける
著者について
和泉晴紀 Izumi Haruki
1955年2月生まれ。石川県出身。漫画家。
『美學校』(赤瀬川原平が講師を務める「絵・文字工房」)出身。
クラスメイトだった久住昌之とコンビを組み、81年、久住昌之との共同ペンネーム「泉昌之」
(原作・久住昌之、漫画・泉晴紀が担当)で『ガロ』誌にてデビュー。
以降、『かっこいいスキヤキ』(96年・青林堂)『ダンドリくん』(98年・筑摩書房)など、
数々の人気作品を世に送り出す。
これと平行して、「泉晴紀」としても、単独の漫画やイラスト、エッセイなどを執筆。
代表作に『真剣なサル』(87年・白泉社)、『東京ズカン』(91年・秋田書店)『キュービック城
の秘密』(99年・ソフトバンクパブリッシング)などがある。
現在、月刊『裏モノJAPAN』(鉄人社刊)にて『インテリやくざ文さん』、月刊「コミック・
ビーム」(KADOKAWA)にて『ワルキューレ』(原作・土屋ガロン)を連載中。
以前のペンネームは「泉晴紀」だったが、現在は「和泉晴紀」に改名している。
- 単行本(ソフトカバー): 256ページ
- 出版社: 鉄人社 (2014/8/22)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4865370137
- ISBN-13: 978-4865370133
- 発売日: 2014/8/22
- 商品パッケージの寸法: 1.7 x 12.8 x 18.8 cm