獄中で聴いたイエスタデイ

 

ポール・マッカートニー、大麻所持容疑で現行犯逮捕…。

そんなニュースが世界を駆け巡ったのは、1980年1月16日のことです。
当時、彼は日本公演のため来日したものの、スーツケースに入れて持ち込んだ大麻が成田空港の税関で発見され現行犯逮捕、東京の警視庁に移送されたのです。

同じ頃、フィリピン・マニラの拳銃密輸事件にからみ仲間一人を射殺、殺人罪ですでに逮捕されていた極道・瀧島祐介は、ポールと警視庁の留置所で居あわせました。
瀧島が五房、ポールは二房、距離にして数メートルという近さでした。

そして、奇跡が起きます。瀧島が「ポール ! イエスタデイ、プリーズ ! 」と叫ぶや、ポールは「OK ! 」と応じ、トントコトンと床を叩いてリズムを取りながら、透き通るような声で『イエスタデイ』を歌い始めたのです。
まさにそれは獄中のコンサートでした。

★本書は、警視庁の留置所でポールと出会い、彼の歌を聴いたことがきっかけで更生した殺人犯・瀧島祐介の手記です。
ヤクザが堅気になることの難しさ、犯罪者に向けられる世間の目、信じられる人の存在、贖罪の日々…。
ポールと瀧島の人生を交互に描きながら、一人の人間の再生への道を克明に記録した、衝撃のノンフィクション !

著者について

1939年2月10日、九州の天草諸島生まれ。
少年時代に少年院を行ったり来たりした後、19歳でヤクザとなる。
その後、組が解散したことで大阪に行き、ストリッパーの派遣業で大儲けするも、フィリピン・マニラの拳銃密輸に絡み仲間一人を射殺、殺人罪で逮捕され、東京の警視庁で取調を受ける。
同じ頃、成田空港で大麻所持の現行犯で逮捕されたポール・マッカートニーが警視庁へ連行、偶然、“獄中”で出会う。
この時、壁越しにポールが歌ってくれた「イエスタデイ」を聴いたことで人生観が変わる。
出所後は、昔の仲間に誘われるままヤクザに復帰。日本最大級の暴力団の二次団体で特別参与を務めた後、紆余曲折を経て、カタギとなる。現在76歳。

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  • 単行本(ソフトカバー): 224ページ
  • 出版社: 鉄人社 (2015/9/17)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4865370404
  • ISBN-13: 978-4865370409
  • 発売日: 2015/9/17
  • 商品パッケージの寸法: 18.8 x 12.7 x 1.5 cm